2019年3月25日発売のKiss 5月号に連載中の『長閑の庭』第32話!
地味な内面と外見から、ドイツ語で黒を意味する“シュバルツ”さんと呼ばれる大学院生・元子(23歳)。
憧れのドイツ文学教授・榊(64歳)に告白するも、勘違いと断言され…。これは“嗜好”か“恋”か。「恋の定義」を模索する、年の差 恋愛未満ストーリーです。
単行本も大人気で、現在6巻まで発売されていますよ。
今回は最新第32話、いよいよ最終回を迎える『長閑の庭』のネタバレ、感想をまとめました。
長閑の庭【第32話】最終話の結末ネタバレ
ようやく榊教授に気持ちを受け入れてもらうことができ、付き合い始めた元子。しかし、榊に病が発覚し、榊は元子に一方的に別れを告げる。
納得できない元子は母に相談するが、教授のためにも別れるべきと主張する母とぶつかってしまう。
それでも教授と共に歩いていきたいという気持ちを新たにした元子は、教授の家に押しかけ思いをぶつけ――!
――刻みつける、ふたりのこれからを、限りある全てを――
「君と一緒に色々な場所へ行きたい。例えば長崎とか…できればもう一度ドイツにもゆっくり行きたいが…」
「行きましょう、一緒に…」
優しい笑顔で笑い合い、お互いをきつく抱きしめる二人であった。
新しい年を迎え、二人初詣へと出かけた二人。
――奇跡が起きますように。
そんな祈りをささげる元子に、そっと手を差し伸べる榊。
「つないでいいかな…?」
「繋ぎたいです!」
肩を寄せ合い、寄り添って歩く二人。
「…朝比奈くん、ご家族は僕らのことを知っているのかね?」
「母は大体知っていますが、祖父は何も…。」
「大切なお祖父さんを騙しながら僕と会う事に、君自身迷っていないかね。君に後ろめたい事をさせたくないし、自身を誇れる人でいてほしい。近いうちに伺わせてほしい」
「教授…」
元子の家に挨拶に訪れた榊。祖父の反応は想像以上のものであった。
「ふ、ふざけるな!最近おかしいと思っていたら…!元子も元子だ、こんな年寄りにたぶらかされて…」
「お怒りはごもっともです。それでも受け入れていただきたいのです」
静かに頭を下げる榊に、興奮が収まらない祖父。
「帰れ!聞かん!もう来るな!」
――お正月が過ぎ、バイトも教授の仕事のお手伝いも始まったが、お祖父ちゃんとはうまく話せない日々が続いた。
ある日、榊のもとに急な来客がある。元子の祖父であった。
「俺はな、別れてもらいに来たんだ。お前が元子を大事に思うなら…、まさか結婚も考えているのか…?」
「結婚はできません。でもしばらくの間元子さんの時間を頂くことになります。彼女の将来を一番に考えます。…僕は病気を患っています。完治は難しい。元子さんも承知の上です」
榊の言葉に激昂し、立ち上がる祖父。
「お前っ…こんなの元子は不幸になるだけじゃないか!」
「…ふたりで過ごす時間は“けじめの儀式”です。彼女がちゃんと僕との時間を“完結”させ、次の章に進むための儀式なんです。思い残すことがないように…」
「……っ」
「朝比奈さん、朝比奈さんにはそんな元子さんを支えてほしいんです。お願いします…!」
頭を下げる榊を見ながら、席をあとにする祖父。
「元子と…あなたのお気持ちはよくわかった。でも、俺には祝福できない」
「おじいちゃん!教授に会ったって…ほんと?」
「別れろと言ってきた。断られたがな。…おじいちゃんは今でも、元子にはもっとふさわしい男がいると思ってる。おじいちゃんは二人の関係を理解できない。…でも、一生元子の味方だ!」
「うん…うん…!」
――なんて私は幸せ者なんだろう。愛し合う人がいて、それを見守ってくれる人がいる。
“恋”は一本の鎖だ。どんな感情もひとつひとつ繋がった鎖。お互いの鎖が絡み合って、
初めて“愛”になる。苦しさも未来の約束も、それは優しくて、心地よい束縛(リボン)
――教授、あなたには今の私はどう見えていますか?
私の恋愛の定義をどう思われていますか?
悠久のその庭で――――
長閑の庭【第32話】最終話を読んだ感想
以上、最終回第32話のネタバレでした!いかがでしたでしょうか?
いろいろな人のいろいろな想いが交錯し、絡み合いつつ、みなが元子の幸せを考えてくれていましたね。きっと素敵な最期を迎えることができたのだと思います。
5年間続いてきた連載も、今回で最終話を迎えた『長閑の庭』。心に響くストーリーでしたね。
作者であるアキヤマ香先生の次回作をどうぞお楽しみに!