2019年3月1日発売のBE LOVE 4月号に連載中の『昭和ファンファーレ』第32話!
昭和初期、人々を魅了する一人の歌姫がいた──。
ある日、少女・小夜子(さよこ)は河原で謎めいた男性と出会い、彼に「父親」の幻想を抱く。
いつの日か、彼に声が届くように少女は歌い続けることを決意するのだが!?
単行本も大人気で、現在5巻まで発売されていますよ。
今回は第32話の『昭和ファンファーレ』のネタバレ、感想をまとめました。
昭和ファンファーレ【第32話】の内容をネタバレ
出征した浅海を捜し、外地の慰問団に参加する小夜子。浅海に巡り合えない焦燥感を抱きつつ、小夜子は歌い続けた。
その声はいつしか浅海にも届き、二人は再会を果たす。互いの想いを確認するかのように、二人は口づけを交わすのであった。
口づけを交わしたあとの微妙な雰囲気に耐えられない小夜子は茶化すように浅海に質問をする。
「浅海サン、いつからあたしのこと想ってくれてたんですか?」
「え・・・」
——一色の自分の世界にやってきた、跳ねるような弾むような音だった。
「理由なんて言いきれない。他にいないんだ。仕方ない」
照れながら話す浅海にふっと笑みがこぼれる小夜子。
「浅海の気持ちがちゃんと聞かれて良かった。言ってくれないと不安なんだからね」
喜びと高揚で私たちは特別のような気がしていた。大丈夫だ。冬の次には春が来るものなのだから———
ひと月あまりで戦況は悪化した。
日に日に悪くなっていく戦況に不安を覚える小夜子。無事で元気にしているのか?もう一度会いたい。
そう願っていたある日の雪の降る夜。
寝ようとした小夜子は雪の中立ち尽くす浅海に気が付き、急いで部屋に招き入れる。
「どれだけ外にいたの!?帰国前に会いたいって思ってたけど・・・上官さん許してくれたの?」
「同室のやつらが協力してくれて・・・バレたら厳罰だろうな」
無理をしてでも会いに来た浅海の言葉に悟った小夜子。
「・・・前線、行くん・・だ・・?」
見つめる小夜子に優しい目で語り掛ける浅海。
「大丈夫。そこまで危ないことにならないよ」
「・・・みんなで逃げちゃえばいいんだ!浅海はすぐあきらめちゃうから・・・今度くらいわがままでも許されるよ!」
涙を滲ませながら浅海に詰め寄る小夜子。
「俺だってあきらめないことは二つあるよ。
小夜子と。小夜子の音楽。生きて帰る」
———それでも 言葉をいくら重ねても不安で。この人の命を繋ぎとめる——
2人は言葉を交わし、肌を重ね、抱きしめあった。
「小夜子、渡すものがあるんだ。・・・いや、やっぱり、“帰ってから”渡そう」
「そうだね・・・必ずだよ」
約9か月ぶりに帰った内地は外地よりも戦地のようだった。
自分の育った家を大切にしたい小夜子は疎開する家族の誘いを断り、一人、家に残ることを選択した。
「みんな無事でいますように」
月子と一緒にロケに参加していた小夜子。その日の夜、対岸が赤く染まっていくのに気が付き目が覚める。蒲田だ。
「帰らなきゃ。あたしの唯一のつながりの家」
長い道のりを歩いて家に帰ってきた小夜子。
家はなく、周囲を含めがれきの山となしていた。
「ここが・・・蒲田?なんで・・・こんな・・・」
——途方もない やり場のない この胸の慟哭
泣きながら立ち尽くす小夜子。聞き覚えのある声にふと顔をあげる。
「さよこ・・なの・・?」
「お母ぁちゃん・・・!」
昭和ファンファーレ【第32話】を読んだ感想
以上、第32話のネタバレでした!いかがでしたでしょうか?
やっと身も心も浅海とつながることができた小夜子。正直に気持ちを伝えあった二人を次々と試練が襲います。
自分の大切なつながりである家をも失ってしまった小夜子。これからの展開がどうなっていくのか、楽しみですね。
次回最新話が掲載されるBE LOVE5月号は2019年4月1日発売予定です。お楽しみに!