2019年4月1日発売のBE LOVE 5月号に連載中の『傘寿まり子』第57話!
長年作家として執筆してきた雑誌「群星」から打ち切られたまり子。80歳にして見つけた夢は、新しいウェブ雑誌を立ち上げることだった。
しかし教えを請おうと訪ねた若いカリスマクリエイターに、「人間ってちゃんと劣化していくんだな」と言い放たれ――。
ウェブ雑誌の立ち上げのため、看板作家を探し始めたまり子。意外な場所で出会った、かつての大作家の跡をつけるが…?
単行本も大人気で、現在8巻まで発売されていますよ。
今回は第57話の『傘寿まり子』のネタバレ、感想をまとめました。
傘寿まり子【第57話】のネタバレ
家族との諍いが原因で家出した80歳の作家・幸田まり子は、長年掲載を続けてきた文芸誌『群星』からも切られ、自らウェブ雑誌『レトル』を立ち上げる。
運営は順調に進み、まり子は連載作品の単行本化を、因縁のある『群星』編集長に持ち込む。
その交渉の中で編集長は、『レトル』に対しひとつの条件を提示するが――。
「そんなあぜ道で土下座したら服が汚れるよ」
「でもでも、ぜひとも進藤先生に執筆していただきたいんです!」
まり子は才能のある小説家、独特の美しい世界にするりとひきこむ言葉の魔術師、進藤薫の元を訪れ、レトルへの連載を依頼していた。
「いくらお願いされたってダメだよ」
「また来ます!」
――進藤先生の作品は、どんな世代やどんな環境の読者にも寄り添える、レトルの目指す姿、そのもの――
「おはようございます。今日は引き受けていただくまで帰りません」
「古典的だねぇ。居る分には別にいいけど、仕事は引き受けないよ。畑にいくのさ、オレの
一日は忙しいんだ」
家の外の畑で草むしり、水やり、掃除をこなしていく進藤の横にそっと立ち続けるまり子。
昼ごはんを食べたら、今度は釣り堀へと出かけていった。
「進藤先生、本当にもう書かれないんですか?もったいないです。」
「幸田さんはやる気でなくて書くのを休んだときとかなかったの?」
「調子が落ちることはありましたが、長期間はないですね」
「偉いな。オレのやる気はゴミと一緒に処分しちゃって、もうさっぱりしたもんだよ。
日常はアイデアの宝庫だったけど、今はただの日常になった。
心がおだやかで楽になったよ」
遠い目をしながら語る進藤の言葉の続きをまつまり子。
「もう一度あの地獄の日々に戻るのは考えただけで疲れるんだ。じいさんのエンジンはもう寿命だ。まっとうしたんだよ」
――進藤先生にそれ以上何も言えなくなってしまった。でも私はわたしのやり方を信じるしかない。
自分の意思を曲げず、また翌日も進藤の元を訪れたまり子。
「なんでオレにこだわる?こんなじいさんが戻るしかないそんな文芸に未来なんてあるのか」
「あります。
未来は進藤先生にも私にもわかりませんよ。だから『ある』って信じた者の勝ちです」
まり子のまっすぐな言葉と目になにも驚く進藤。
ふうとちいさくため息をついた。
次の日、まり子は資料集めのためにちえぞうと共に図書館を訪れていた。
「まり子さん、平日の昼間だけど人でいっぱいだよ!」
家族連れもいるが、全体的に年齢層は高めの来館者であった。
二人は手分けをして資料集めを進めていく。
一区切り着いたところで、まり子はちえぞうに休むように伝え、一人で別の本を探しにいった。
本を何冊か抱え、休むための席を探すちえぞう。
「あ、あそこが空いてる」
空いている席を見つけそこに座ろうとすると、すんでのところでおじさんに座られてしまう。
「おっさんにとられた…よし、こっちだ」
違う席につこうとするも、またおっさんに席を取られてしまう。
するとちょうど目の前にイスに座っていた人が立ち上がったため、今度こそ腰掛けようとするちえぞう。
「よっこいしょっと…」
――どん!!
「ひっ…えぇぇぇぇ!?」
座ろうとしたちえぞうを押しのけてどっかりとイスに座ったのは、またもやおっさんであった。
傘寿まり子【第57話】を読んだ感想
以上、第57話のネタバレでした!いかがでしたでしょうか?
レトルでの連載をなんとかお願いしたいまり子は進藤先生のもとに何度も足を運びます。次第にまり子の熱い思いに心動かされていく進藤。もしかしたら?ということもあるかもしれませんね。
一方図書館での出来事は次回以降の展開が気になりますね。人を押しのけてまでイスに座ったおっさんは一体だれなのか?
次回最新話が掲載されるBE LOVE6月号は2019年5月1日発売予定です。お楽しみに!