2019年5月1日発売のBE LOVE 5月号に連載中の『ブレードガール―片脚のランナー―』第12話!
骨肉腫で片足を失った女子高生、鈴。
生きる希望を失った彼女だが、義足技術者・風見と、競技用義足・ブレードとの出会いによって人生が大きく変わりはじめ…。
義足とともに駆ける、青春パラスポーツ漫画です。
単行本も大人気で、現在1巻が発売されています。
今回は第12話の『ブレードガール―片脚のランナー―』のネタバレ、感想をまとめました。
ブレードガール【第12話】のネタバレ
風見が作ってくれたブレードの性能に惚れ、スポンサーもいない、練習場所も確保されない、新生ガレージチームを結成することとなった鈴。お金もない、場所もないチームはこれからどうなっていくのか…?
「ソケットはプロ仕様になったことだし、鈴ちゃんも次のステージを見る段階じゃないかな?…これ!日本パラ陸上選手権大会!」
風見らと一緒にパラ陸上大会を見に来た鈴。鈴が参加することになるT64クラスに出場する選手はわずか3人であった。
「たった3人…女子の下肢切断クラスは選手が少ないんですね」
3人の中に1人、ひときわオーラを放つ選手がいた。
「日向薫。左下肢切断。ロンドン・リオパラリンピックの日本代表選手だ。国内で彼女の敵はいない。倒さなきゃならん相手だ」
――キレイ。義足と足が一体になってる――!?
『日向選手。13秒32』
「私はまだ1秒も遅いんですね…」
トイレに立った鈴は偶然日向選手と会う。
「日向さん!ゆ、優勝おまでとうございます!すごく…キレイで、あんなに走れるなんて…すごいです」
「すごいって?身体の一部を動かすだけじゃない?」
――見間違いじゃなかった。義足は道具じゃない。身体の一部ってこと?…
「…あたしも走るんです。次はあなたと同じトラックに立ちます。パラリンピック目指してるんで」
「パラリンピック…?…ありがとう。義足で走り始めてくれてありがとう。私はもっと速くなりたいと思った。こっちに来るの待ってる」
そうして固い握手を交わした二人であった。
別の日。土手沿いで走りの練習をしようとしていた鈴は、おばあさんが一人でいるのに気がつく。
「おばあちゃん?迷子ですか?」
「散歩中だよ。お嬢ちゃんはこんなとこで練習かい?」
おばあちゃんの横に座り義足を装着し始める鈴。
「あ、びっくりさせちゃいましたか?コレ走る用の義足なんですよ。ブレードっていうんですけどね」
おばあちゃんが見守る中、何度も走ってタイムを測る。
「はぁはぁ…14秒13…まだ13秒台にいけない」
「さっきから何本目だい?そんなに焦らなくたって…」
「じっとなんてしてられません。昨日大会ですごいもの見たんです。あたしもあの舞台に立ちたい。あの人と戦いたい…きっと同じフィールドに立ってみせる」
「…その義足はお嬢ちゃんの特別なものなんだね」
「本当にいいブレードなんですよ!なのに…IZUMOっていう邪魔する奴らがいるわけです!了見の狭い会社で、社長の顔が見てみたいもんですよ!
資金がないから皆でやりくりして…あたしにはどうしようもなくて…。だから結果出して絶対認めさせてやるんだから!」
日が傾いてからも走りを辞めない鈴。おばあちゃんも熱くなり、ハッパをかける。
「自慢の義足はそんなもんかい!?」
「まだまだ!」
「…13秒84!!」
「…きゃー!!やったー!!」
鈴がおばあちゃんと喜びを分かちあっていたその時、風見らが現れる。
「風見さん!今日の練習に付き合ってもらった迷子のおばあちゃんです!」
すると風見はすっと姿勢を正し、おばあちゃんに一礼する。
「はじめまして。イズモ会長」
「え、えええ!」
「この方はIZUMO社の創業者の奥さんだ」
「パラリンピックって言ってたねお嬢ちゃん。気に入った。あんたたちをサポートしようじゃないか」
「しかしIZUMOは…」
「私の個人資産からの出資さ。IZUMOは関係ない。これで最初の開発費はなんとか賄えるだろう」
「おばあちゃん…!なんてお礼を言っていいのか…」
「ただし、出世払いだからね。…メダル。年寄りをあんまり待たせるんじゃないよ」
「…はいっ!」
ブレードガール【第12話】を読んだ感想
以上、第12話のネタバレでした!
パラ陸上大会を見て自分の目指すべき舞台を見つけた鈴。練習にもより一層力が入っていますね。
ひょんなことから出会ったおばあちゃんが、まさか天敵IZUMO社の会長であったことは驚きでした。
しかし鈴の姿勢や熱意に共感し、出資を申し出てくれます。これで鈴達ガレージチームの動きも変わってきますね。次回以降の話の展開が楽しみです!
次回最新話が掲載されるBE LOVE7月号は2019年6月1日発売予定です。お楽しみに!