2019年5月1日発売のBE LOVE 6月号から連載が始まりました『幽体門』!
高校生の真理は彼氏のバイク事故で生死の境をさまようことに。現世に未練のない彼女は死神とともに死者が必ずくぐる幽体門へ向かう。
しかし、真理が門を潜ろうとすると扉がしまり……。なかなか死ぬことのできない真理は・・・?
単行本化も楽しみな、大注目の作品です。
今回は第1話の『幽体門』のネタバレ、感想をまとめました。
幽体門【第1話】のネタバレ
――あれ?ここはどこ?病院?そっか、あたし佑太のバイクに乗ってて事故ったんだ。お父さんにお母さん、お姉ちゃんまで、みんなして大げさな…
え?ちょっとまって…?あたしの身体浮いてる?これどうなってるの?
「できるだけのことはしました。今夜が峠と思われます。もし万が一助かったとしても両足はあきらめてください…」
「どんな姿であれ!真理を助けてください!」
――うそだあ。あたしのことなんかどうでもいいくせに。…さっと死にたいね。助かってもよけい面倒をかけるくらいなら。でも、なぜ死なないの…?
『いえいえ、大丈夫です。あなたをきちんと死なせるために、私が来ました』
急に真理の背後に現れたのは、黒スーツの長髪の男。
『私は死神です。インターンしてて初めてあなたを担当します。君の場合はなぜか死ねないらしい…』
「どうしてよ!私はもう生きなくていいのに」
『死ぬことを素直に受け入れて納得していますか?…それならばとりあえず、門に行って訪ねましょう』
真理は目を開けると、死神と共に光る門がある場所に移動していた。
「ここは幽体門です。あなたに門をくぐらせるために僕がいるのに、なぜかあなたは通れない…」
「門の中は地獄?どうなるの?」
「『無』ですよ。生きていた時の記憶をすべて失くして光の中に溶け込んで、光、つまり神の一部になります」
老若男女、様々な人が門の中へとぞろぞろと列をなして入っていく。
「あれ?あそこでおじいさんが死神といる。聞いてみよう」
そう言って死神の静止を振り切って、おじいさんの元へと行ってしまう真理。
「おじいさんはどうして死にきれないの?」
「わしは…息子に殺されてな。認知症だったんじゃよ。息子はわしの介護のために早期退職してな。微々たる退職金も使い果たし、わしの年金だけで生きていた。完璧主義者の息子は他人に任せることができなんだ。…あの子もどんどん疲弊していって、死を考えるようになったんじゃ。」
目に涙を浮かべながら、過去を振り替えって話すおじいさん。
「そんなある日…息子は布ひもでわしの首を…息子も後を追おうとしたが、ちょうど来たヘルパーさんに見つかって。今は警察におる。可哀想な勇一…わしが呆けたばかりに!心配で心配で死にきれんのだ…」
「そうだったのね…ね、ルーキー。息子さんのもとへと私達を連れて行って!」
「ルーキー…その呼び方…特別ですよ」
死神がパチッと指をならすと、一行は警察の取調室へと移動していた。
「…確かに父親を殺しました。他にどうもできなかった…。どうとでもしてください」
取調べを受けている勇一は非常にやつれた顔をしていた。
『勇一が苦しんでいる…あんなに優しい子を、わしが罪人にしてもうた!わしは感謝している、苦しむなと伝えたい…』
『あたし、伝えてきてあげたい!』
真理がそう願うと、真理の身体がフッと消え、息子勇一の中に入ることができた。直接息子勇一に語りかける真理。
『勇一さん、おびえないでください。お父さんの最後の言葉を伝えにきました。「これでよかったんじゃ…お前が苦しむことはない、感謝している…、お前は生きろ」と』
真理の言葉を聞いた勇一はその場で泣き崩れた…。
「これでわしも逝ける。ありがとう」
おじいさんは光る門の中へと消えていった。
「やっとわかりましたね、真理さんの能力。生身の人間に入っていける」
「でも伝えるだけよ?ここで役に立っても、何になるんだろう…門の中には私は入れないのに」
周囲を見渡すと、死神と一緒に佇んでいる人が多くいることに気がついた真理。
「…こういう能力を持った以上、けっこう大変な目に遭うかもね…」
幽体門【第1話】を読んだ感想
以上、第1話のネタバレでした!
今回のお話は、死んだあとの世界を描いたものです。事故に遭って、身体から魂が抜けてしまった真理は、自分の能力を見出して死後の世界でも役に立てることに気づきます。
これからきっと、何人もの困っている人達を救っていくのでしょうね。
次回最新話が掲載されるBE LOVE7月号は2019年6月1日発売予定です。お楽しみに!