2019年5月1日発売のBE LOVE 6月号から連載が始まりました『水晶の響』!
実在のバイオリニスト・式町水晶さんをモデルにしたオリジナル漫画で、ドキュメント漫画「水晶の音」続編です。
脳性まひの式町水晶少年は特別支援学級で耳の聞こえない少年“なっちゃん”と出会う。彼にバイオリンの音を聞かせたい水晶は、ゆるやかに鮮やかに覚醒していく!
単行化も楽しみな大注目作品です。
今回は第1話の『水晶の響』のネタバレ、感想をまとめました。
水晶の響【第1話】のネタバレ
ぼくの脳は特別なぼくだけの脳だ。神様が与えてくれた、お母ちゃんからもらった、この世界のあらゆるものを音に変えて、このバイオリンの弦でぼくの心に届ける。宝物だ。そしてみんなの心にも…
なっちゃんとの出会いは1年生のとき。特別支援学級だった。それぞれがそれぞれの障害を持っているなか、なっちゃんは一人、教室の端っこで踊ってた。
なっちゃんは耳が聞こえない。でも、すぐ意気投合し仲良くなった。一緒にいると楽しくて、障害があることなんて忘れそうだった。なっちゃんにもうひとつ病気があるってことは、あとで知った。
「透析っていうんだよ。これ。おれ、腎臓が悪いんだ。耳が聞こえなくなったのもそのせいなんだ。みっくんはバイオリンやってるんだろ?」
「うん、お母ちゃんがバイオリンがリハビリにいいって。4歳のとき見つけてくれたんだ。運命の出会いってゆーか、最初に弾いた時、これだ!って思ったんだ」
「すげーな!みっくんのバイオリン聞いてみてーなっ」
――だけどなっちゃんには聴こえないんだ。バイオリンの音さえなっちゃんにはわからないんだ。どーしたらなっちゃんに伝わるんだろう・・・?
答えは出ないまま、ずっとそう思ってるんだよ。もうすぐなっちゃんは、卒業しちゃうんだ…。
ある日、道端に貼ってあった『スーパーバイオリニスト 中吉俊博』のライブポスターを目にした水晶は、母に頼んでライブへと連れて行ってもらう。
――え、なにこれ…ゆれてる!?ちがう、空気が響いてる…。こっちに音が、向かってくる!
中吉の演奏に衝撃を受けた水晶は、バイオリンを教えてほしいと直談判するも、もらえたのは名刺一枚。その名刺の番号に母が毎日のように電話をかけるも、良い返事はもらえなかった。
――あの人みたいな、バイオリニストになりたい…!
そして迎えた卒業式、当日。
「卒業おめでとう!ぼくからお祝いに、1曲弾かせてください」
「バイオリンだ!みっくん頑張れー!」
――…届け、届け・・・!
静かに水晶が演奏を始めると、すっとなっちゃんが近寄り、水晶の動きに合わせて踊り始めた。まるで音が聴こえているかのように、シンクロする動き。
――わ、わ…。重なった…!!
演奏を終えると、二人は顔を見合わせる。
「気持ちいーー!!!」
なっちゃんは笑顔だった。
「なっちゃん…さみしいよ…」
思わずうつむいた水晶の顔を掴み、上を向かせるなっちゃん。
「言いたいことあんなら、こっち見て言えよっ、て、いつも言ってるだろ!」
「…ダンス!!ろう学校でも頑張ってね!」
「おまえもバイオリンがんばれよっ!いつか一緒の舞台でやろうぜっ!」
「うんっ!!」
――ぼくはバイオリニストになりたい。きみに伝えられるように、きっと、絶対。
水晶の響【第1話】を読んだ感想
以上、第1話のネタバレでした!
脳性まひを抱えるバイオリニスト、式町水晶がモデルの漫画です。自分の障害を受け入れ、前向きに生きる姿はテレビでも多くドキュメント化されていますよね。
今回のストーリーは小学生時代の、友人なっちゃんとのお話でした。水晶のバイオリン演奏と、なっちゃんのダンスが融合する瞬間は、美しく描かれています。
ぜひ実際に漫画の絵を見てほしい作品です。
次回最新話が掲載されるBE LOVE7月号は2019年6月1日発売予定です。お楽しみに!